性犯罪処罰規定に関する平成29年の刑法一部改正③

~シリーズ第3弾 非親告罪化~

改正前の状況

強姦罪や強制わいせつ罪等は、親告罪とされていました。

親告罪とは、告訴がなければ公訴を提起することができない罪のことをいいます。

 

強姦罪等が親告罪とされていた背景には、強姦等は被害者の名誉を害し、公訴提起によって被害者のプライバシーが害される虞があるため、事件化は被害者の意思に委ねるべきとの考え方がありました。 

 

問題意識・反対意見

しかし、強姦罪等を親告罪とすることには、次のような問題意識や反対意見が示されていました。

 

・強姦されたことが恥ずかしいという考え方が間違っている。

 

・事件によって既に大きな負担がかかっている被害者に、処罰を求めるか否か決めなければならないという負担を課すのは酷である。

 

・加害者側から告訴の取下げを求めるプレッシャーを受けたり、被害者の告訴により処罰されたという逆恨みを買う危険がある。

 

・集団強姦罪(本改正により廃止)が非親告罪とされた趣旨は、強姦罪等にもあてはまる。

 

改正の内容

 強制性交等罪、準強制性交等罪、強制わいせつ罪、準強制わいせつ罪、わいせつ・結婚目的略取誘拐罪が、非親告罪となりました180条削除、229条改正)

 

その最大の趣旨は、親告罪であることによって生じている被害者の精神的負担を解消することにあります。

 

経過措置(附則2条)について

 今回、強制性交等罪等の非親告罪化にあたっては、附則2条に経過措置が定められました。

 

この経過措置により、改正法施行前の行為についても、原則、非親告罪と扱われることになりました。

ただし、改正法施行時既に法律上告訴がされることがなくなっているものについては、例外とされています。

ex)①すべての告訴権者が告訴を取り消した場合

   ②被害者が死亡しかつその生前に告訴をしない意思を明示していた場合

 

このような経過措置が設けられたのは、被害者の精神的負担を解消するという趣旨は、できる限り改正前の行為についても及ぼされるべきという考えによります。

 

~次回シリーズ第4弾のコラムの予定~

  次回の第4弾では、「監護者による性犯罪規定の新設」について取り上げます。

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