遺産分割の基礎知識

遺産分割とは、被相続人が死亡時に有していた遺産について、権利者を確定させる手続です。

　遺産分割を行う手続としては、以下の３つがあります。 

①相続人全員で遺産分割協議を行い、これを成立させる手続 

②家庭裁判所に遺産分割調停を申し立て、相続人全員の合意により調停を成立させる手続 

③家庭裁判所に遺産分割審判を申し立て、審判を得て解決する手続

そして、通常は、上記①、②、③の順で進めていくことになります。

　遺産分割の実現に向けて、一般的には、以下のような手順で進めていくことが多いと思われます。なお、ここでは、合意に基づく遺産分割を念頭に置いています。 

①被相続人の戸籍等から相続人の範囲を確定します。 

②各相続人の法定相続分を確認します。 

③被相続人の遺言の有無・内容を確認します。 

④遺産分割の対象となる遺産の範囲を確認します。 

⑤各遺産について、遺産分割を行う際に基礎とする評価額を算出し、合意します。 

⑥特別受益及び寄与分についての意見を出し合い、調整します。 

⑦各相続人の具体的相続分を確認します。 

⑧具体的相続分に基づいて遺産の分割方法を協議し、決定します（遺産分割協議の成立）。 

⑨合意内容を書面化します。

⑩合意した分割方法を実現するための具体的な手続を履践します。

１　分割方法の種類（４種類）

　　現物分割　　　個々の遺産の形状や性質を変更することなく分割する方法　　

　　代償分割　　　一部の相続人が具体的相続分を超える額の遺産を取得した上で、他の相続

　　　　　　　　　　　人に対し超過取得分の遺産評価額に相当する代償金を支払う債務を負担す

　　　　　　　　　　　る方法。

　　換価分割　　　遺産を売却等により換価した上で換価金を分配する方法

　　共有分割　　　遺産を共有取得する方法 

２　調停審判における検討順位 

　　調停・審判手続においては、現物分割、代償分割、換価分割の順に検討され、これらが困難な状況にある場合に限り、最後の手段として共有分割が検討されるというのが一般的です。

裁判所のウェブサイト（外部）リンク

・調停手続一般

・家事調停の申立書（相続についてはページ最下部です）

・家事調停の申立て（相続についてはページ最下部です）

・相続に関する調停

・遺産分割調停

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